大計帳（読み）ダイケイチョウ

デジタル大辞泉

だい‐けいちょう〔‐ケイチヤウ〕【大計帳】

律令制で、四度しどの公文くもんの一。諸国でその年の所管の戸口や庸・調などの数量を記載し、太政官に提出した帳簿。大帳。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

だい‐けいちょう ‥ケイチャウ【大計帳】

〘名〙 ＝だいちょう（大帳）

※続日本紀‐養老元年（717）五月辛酉「以_二大計帳〈略〉等式_一、領_二下於七道諸国_一」

出典　精選版 日本国語大辞典

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

大計帳
だいけいちょう

律令制で，調・庸・雑徭などを賦課するため，毎年各戸から出させた戸口の名，性別，年齢，課不課の別を書いた申告書 (手実) を，国司や京職が集計して作成した帳簿。大帳，計帳などとも呼ばれ，太政官に送られた。調帳，正税帳，朝集帳と合せ，四度公文と呼ばれる。唐制をまねたもので，大化改新のとき，作成を決定し，『養老令』『延喜式』に，その手続や書式などが記されている。平安時代前期に形骸化した。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

山川 日本史小辞典 改訂新版

大計帳
だいけいちょう

大帳・大帳目録とも。諸国の戸口や課口・不課口の合計数などをまとめた統計文書。国司や京職(きょうしき)が計帳歴名(れきみょう)をもとに作成した(歴名を含める見解もある)。大宝令では手実(しゅじつ)や歴名と区別して国帳と称した。大帳使によって8月末以前に弁官に提出された。717年(養老元)に大計帳式が諸国に下されて，これが「延喜式」の大帳の書式にうけつがれた。正倉院文書の「阿波国計帳」や12世紀頃の「摂津国計帳」が残り，秋田城跡出土の漆紙文書にもみられる。

出典　山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」