大袈裟(読み)おおげさ

精選版 日本国語大辞典 「大袈裟」の意味・読み・例文・類語

おお‐げさ おほ‥【大袈裟】

〘名〙
① (「おおけさ」とも) 大きな袈裟
伊勢大輔集(11C中)「きゃうせむりしの、大けさをぬいてやるとて」
② (形動) (「おおけさ」とも) 袈裟をかけたように大きく一方肩先から反対側わきの下に斜めに斬りおろすこと。また、そのさま。袈裟斬り。大袈裟斬り。
※雲形本狂言・空腕(室町末‐近世初)「扨(さて)も切たり切たりまっただ大(オホ)げさに見しらいた」
③ (形動) 物事実際より大へんなように言ったりしたりするさま。また、必要以上にしかけなどが大きいさま。おおぎょう。
※雑俳・柳多留‐五二(1811)「大袈裟な無心小指はかすり疵」
暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉二「大袈裟(オホゲサ)三角巾で頬被りをした謙作が窓から顔を出してゐると」

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デジタル大辞泉 「大袈裟」の意味・読み・例文・類語

おお‐げさ〔おほ‐〕【大××裟】

[名]《「おおけさ」とも》
大きな袈裟。
刀などで袈裟がけに人を斬ること。
「肩先より背骨まで、―に切り放せば」〈浄・浪花鑑
[形動][文][ナリ]物事を実質以上に誇張するさま。また、誇張されたさま。おおぎょう。「大袈裟に驚いてみせる」「大袈裟な飾りつけ」
[類語]オーバー大層事事ことごとしい誇大大仰おおぎょう仰仰しい針小棒大尾鰭おひれを付ける御大層らしい大層らしい見栄を張る虚勢を張る気を持たせるもったい振る体裁振る勿体臭い気取る澄ます格式張る背伸び思わせ振りしなを作る大人振る見せ掛け見せ掛ける行い澄ます取り澄ます飾り気虚栄自意識過剰お高くとまるお高い芝居がかる猫かぶり猫をかぶるもっともらしいびるへつらおもねる取り入る胡麻ごますり阿諛あゆおためごかし卑屈へつら取り巻くこびを売る胡麻ごまをする鼻息をうかが太鼓を叩く機嫌を取る尻尾を振る歓心を買う色目を使う秋波を送る気を引く気を持たせる調子を合わせる追従ついしょうおべっかおべんちゃら諂巧てんこう諂阿てんあ諂曲てんごく諂笑てんしょう諂媚てんび諂諛てんゆ阿付迎合へいへいへいこらぺこぺこ曲学阿世味噌を意を迎える

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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