大船越(読み)おおふなこし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大船越」の意味・わかりやすい解説

大船越
おおふなこし

長崎県対馬市(つしまし)の一地区。浅茅湾(あそうわん)の南東隅に位置する。古代、対馬海峡から浅茅湾に入るためには、対馬の南端または北端を大迂回(うかい)しなければならなかった。そこで、対馬海峡と浅茅湾の間の地峡部を人力で船を運搬することを業とする集落が発達した。大船越と小船越(こふなこし)がそれである。江戸時代になって大船越に人工的に瀬戸が切開され、対馬海峡と浅茅湾は通じたが、明治時代になって大船越瀬戸が浅く、日本海軍の、艦艇出入りができないため、1900年(明治33)万関(まんぜき)瀬戸の新しい運河を開いた。大船越は大船越瀬戸に臨む対馬最大の純漁村で、現在は国道382号にも沿い、近くに対馬空港がある。

[石井泰義]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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