大興安嶺(山脈)(読み)だいこうあんれい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大興安嶺(山脈)」の意味・わかりやすい解説

大興安嶺(山脈)
だいこうあんれい / ターシンアンリン

中国、黒竜江(こくりゅうこう)省北部から内モンゴル自治区北東部に延びる山脈。西興安嶺ともいう。北は黒竜江岸から南はシラムレン河上流に至り、北東から南西方向に走る。全長1200キロメートル、幅200~300キロメートル、標高1000~1500メートルだが高い山地もあり、北から風水山(1398メートル)、古利牙(こりが)山(1394メートル)、太平嶺(1712メートル)、黄崗梁(こうこうりょう)(2029メートル)などが並んで、内モンゴル高原と松遼(しょうりょう)平原との分水嶺になっている。古・中・新生代の花崗岩(かこうがん)からなり、一部にジュラ系含炭層や新期玄武岩を含む。大陸性気候で1月の平均気温は北から南へ零下28~零下22℃、7月は18~20℃、年降水量は400ミリメートルで夏に集中する。東斜面の川は嫩江(どんこう)に、北・西斜面の川は黒竜江上流に注ぐ。南斜面の川は尻無(しりなし)川が多い。土壌は、北部は礫質(れきしつ)灰白森林土、暗褐色森林土が広がり、南部は石灰質黒土である。森林は北・中部がダフリヤカラマツ、コオノオレ、マンシュウシラカンバ、南部はモウコナラを主とする。人口密度は1平方キロメートル当り10人以下で、モンゴル族漢民族オロチョン族が住む。

[浅井辰郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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