大綱(読み)たいこう

精選版 日本国語大辞典 「大綱」の意味・読み・例文・類語

たい‐こう ‥カウ【大綱】

〘名〙 (「だいごう」とも)
① 太い綱。
※評判記・色道大鏡(1678)一七「おそらくは三箇(が)の大事、色道の妙刀にあたらば、発心堅固の大綱(コウ)も截(き)れはなれずやはあるべき」
根本的な事柄。また、基本となるもの。おおもと大要
※三教指帰(797頃)中「養性之方、久存之術、厥途極多、不能具述、聊撮大綱、示其少分」
太平記(14C後)二四「委細に是を註さば、車に載すとも尽くべからず。唯大綱(カウ)を申す許りなり」 〔後漢書‐班超伝〕

おお‐づな おほ‥【大綱】

〘名〙
① 太いつな。
平家(13C前)九「佐々木太刀をぬき、馬の足にかかりける大綱どもをばふつふつとうちきりうちきり」
② ある事柄の根本をなすもの。たいこう。
※応永本論語抄(1420)為政「君は臣の為に大つなたり、父は子の為に大つなたり、夫は妻のために大綱たり、故に三綱と云」

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デジタル大辞泉 「大綱」の意味・読み・例文・類語

たい‐こう〔‐カウ〕【大綱】

ある事柄の根本となるもの。大本おおもと。「条約大綱を定める」
大づかみにとらえた内容。大要。「事業の大綱を示す」
[類語]大枠あらまし大筋大要枠組みアウトラインフレーム骨格大局骨組み目安趣旨主旨趣意概要概略概括粗筋大意大略大概概況あらかた輪郭アウトライン縮図レジュメ抄録摘要提要梗概

おお‐づな〔おほ‐〕【大綱】

太い綱。
物事の基本。おおもと。たいこう。

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普及版 字通 「大綱」の読み・字形・画数・意味

【大綱】たいこう

根本。

字通「大」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の大綱の言及

【防衛関係費】より

…これに対して日本の防衛関係費の範囲は,一応のコンセンサスがある基幹的な部分だけに狭く局限されている。また1976年に,〈防衛計画の大綱〉とワンセットの形で,国防会議・閣議の決定として,防衛関係費は〈当面,各年度の総経費がGNPの1%を超えないことをめどとする〉こととなった。それが日本の軍事大国化に対する歯止めとして一定の役割を果たしてきた点は否めないが,欧米並みの基準でいけば早くから対GNP比1%の枠を突破していた事実も同時に承知しておかなければなるまい。…

※「大綱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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