大統領行政特権(読み)だいとうりょうぎょうせいとっけん(英語表記)Executive Privilege

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大統領行政特権」の意味・わかりやすい解説

大統領行政特権
だいとうりょうぎょうせいとっけん
Executive Privilege

アメリカの大統領が三権分立制のもとで有する特権合衆国憲法には明文規定はなく,あくまでも慣行上の特権にすぎないが,大統領は議会や裁判所に対し証言を拒否する職務上の免責特権を有しており,かつそれを補佐官など大統領の属僚にまで拡大できるとされていた。 R.ニクソン大統領はこの特権に基づいてウォーターゲート事件のもみ消し工作に関する証拠提出を拒否しようとしたが,最高裁判所は証拠の提出を命じる判決下し,行政特権に限界があることを明確に示した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android