大竹市(読み)オオタケシ

デジタル大辞泉 「大竹市」の意味・読み・例文・類語

おおたけ‐し〔おほたけ‐〕【大竹市】

大竹

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日本歴史地名大系 「大竹市」の解説

大竹市
おおたけし

面積:七七・七六平方キロ

佐伯郡沿岸部の最南西端に位置し、西から南へかけては木野この(小瀬川)を隔てて山口県に相対する。市域大部分山地であるが、東南は瀬戸内海に面し、木野川河口沿岸部のデルタと埋立地に、中心市街地と工業地帯が展開する。「続日本紀」天平六年(七三四)九月一六日条に「安芸周防二国以大竹河国堺也」とある「大竹河」は現木野川のことで、当地は安芸と周防の国境の地とされた。建治三年(一二七七)五月六日付の佐伯助広処分状(所文書)に「おうたき」とみえ、時に「大滝」とも記された。

〔原始・古代〕

縄文時代の遺跡はまだ発見されず、弥生時代後期の土器片と甕の底部破片などが、わずかに東南海上にある阿多田あたた島の岩風呂いわぶろ遺跡から発掘されたにすぎない。古代の山陽道は遠管おくだ(「延喜式」兵部省)を安芸国の最終駅とするが、その所在は市内小方おがたに比定される。「和名抄」に記す佐伯郡の古代郷のうち、当市域に比定されるものは東急本にみえる「建管」郷であるが、同高山寺本は「建部」郷と記す。しかし駅名と同じ遠管郷とする説が有力である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大竹市」の意味・わかりやすい解説

大竹〔市〕
おおたけ

広島県南西端,広島湾西岸にある市。 1954年大竹町,玖波町,小方町の3町と栗谷村,友和村の一部が合体して市制。東隣の廿日市市西部に飛び地がある。中心市街地の大竹はかつて広島藩境の宿駅の所在地,その北方の小方は漁港,玖波は山陽道宿場町として繁栄。背後の傾斜地で産するコウゾミツマタと小瀬川の清流を利用して手すき和紙の生産が興り,現在も障子紙,温床紙,傘紙を製造する家内工業や製紙・パルプ工業が行なわれる。 1934年化学繊維工場の進出後,近代工業都市として発展。第2次世界大戦後は山口県岩国市と結ぶ石油化学コンビナートが形成された。小瀬川中流には奇岩,怪石で知られる弥栄峡がある。南方沖合いにハマチ養殖で知られる阿多田島がある。市域北部は三倉岳県立自然公園に属する。 JR山陽本線,国道2号線が通じ,山陽自動車道のインターチェンジがある。面積 78.66km2。人口 2万6319(2020)。

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