大穴牟遅命(読み)おおなむちのみこと

世界大百科事典(旧版)内の大穴牟遅命の言及

【甲賀三郎】より

…狩猟国である維縵国で最後の歓待をうけ,地上へよみがえるという甲賀三郎の地底遍歴の意味するものは,狩猟神であると同時に農耕神でもある諏訪明神の二面性を甲賀三郎に託して表現化したものとみて誤りはない。地底の国々の遍歴は,中世における今来(いまき)の神,諏訪明神の誕生にとって,経なければならぬ試練であり,通過儀礼と同じものであって,それは八十神たちの迫害を受けた大穴牟遅(おおなむち)命が,地上から地下の根の国へと難を避け,須佐之男(すさのお)命の課すさまざまな試練に耐えて地上によみがえるまでの神話の構造と重なる。なお末弟である三郎が,兄の謀事に会って地底に落ち,困難を克服して最後に成功するという筋立ては,末弟成功譚の一つの形でもある。…

※「大穴牟遅命」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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