大格子(読み)おおごうし

精選版 日本国語大辞典 「大格子」の意味・読み・例文・類語

おお‐ごうし おほガウシ【大格子】

〘名〙
① 大きな角材を縦横にをすかして組んだもの。また、そのすかした間の枡形の大きいもの。
※歌舞伎・早苗鳥伊達聞書(実録先代萩)(1876)二幕「(田村邸仮牢の場)本舞台三間前面(まへづら)一面の大格子(オホガウシ)、よき所に首だけ出る食事の穴を明け」
② (見世先をすべて格子造りにしたところから) 江戸吉原の格式の高い遊女屋。⇔小格子
※浄瑠璃・三世二河白道(1708)三「右の方にはにぎわひの、外にはあらぬ江戸町や〈略〉大かうし小かうしに、げんじかうしやあげや茶屋」
③ 着物の模様で、弁慶縞の大きなもの。⇔小格子
※御伽草子・酒呑童子(室町末)「髪は禿(かぶろ)にをし乱し、大がうしの織物に、紅の袴(はかま)を着て」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「大格子」の意味・読み・例文・類語

おお‐ごうし〔おほガウシ〕【大格子】

太い角材で組んだ格子。また、間を大きくあけて組んだ格子。⇔小格子
江戸吉原で、最も格式の高い遊女屋。大籬おおまがき総籬そうまがき。⇔小格子
粗い格子縞。⇔小格子

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

サルノコシカケ

サルノコシカケ科やその近縁のキノコの総称。日本では4科約40属300種が知られ,ブナ林に日本特産種が多い。樹木の幹につき,半円形,木質で厚く堅く,上面には同心円紋があるものが多い。下面には無数の穴があ...

サルノコシカケの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android