大春日真野麻呂(読み)おおかすがのまのまろ

朝日日本歴史人物事典 「大春日真野麻呂」の解説

大春日真野麻呂

生年生没年不詳
平安前期の暦学者。『文徳天皇実録』巻8に「天安元(857)年正月17日,真野麻呂暦術独歩,能く祖業を襲い,此の道を相伝して今5世になり」とある。さらに「暦博士大春日朝臣真野麻呂上に請う,開元大衍暦経を以て暦を造ること年久し。而して今大唐開成4(839)年,大中3(849)年両年暦を検するに月の大小を注すに頗る相謬るあり」うんぬんとあって,当時わが国で用いられていた大衍暦を,唐で使用されている五紀暦に改めるよう進言している。これより先,天平宝字7(763)年大春日船主が具注・七曜・頒暦・中星の4種の暦を造って上に奉ったとの記録があり真野麻呂はこの船主の孫である。

(内田正男)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大春日真野麻呂」の解説

大春日真野麻呂 おおかすがの-まのまろ

?-? 平安時代前期の暦算家。
斉衡(さいこう)3年(856)以前より暦博士をつとめ,のち陰陽頭(おんようのかみ)をかねる。真野麻呂の上申により,4年五紀暦(ごきれき),貞観(じょうがん)3年宣明(せんみょう)暦の採用がみとめられた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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