大後美保(読み)だいごよしやす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大後美保」の意味・わかりやすい解説

大後美保
だいごよしやす
(1910―2000)

農業気象学者。東京に生まれ、1935年(昭和10)東京帝国大学農学部卒業。産業気象要員として中央気象台(現、気象庁)に入った。1946年(昭和21)「日本における主要農作物と気象との関係についての研究」で農学博士となり、運輸大臣賞も受けた。1952年日本農業気象学会賞、1954年日本農学会賞、1966年岡田賞受賞。1964年気象庁退官、成蹊(せいけい)大学教授を経て名誉教授。『日本作物気象の研究』『四季の農業気象』『植物生理気象学』『農地微気象の研究』『日本生物季節論』『農業気象と災害の防止』『工業天候』『都市気候学』など多くの著書がある。日本の農業気象学の確立から産業気象学への展開に功績があった。筆名立花保(たちばなたもつ)で随筆も書き、『おまつり時刻表』の著書がある。生活に結び付いた自然科学普及家としての活動でも知られた。日本農業気象学会と日本生気象学会の名誉会員でもあった。

石山 洋]

『『工業と天候』(1968・産業科学学会)』『『おまつり時刻表』(読売新書)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大後美保」の解説

大後美保 だいご-よしやす

1910-2000 昭和時代の気象学者。
明治43年11月8日生まれ。昭和10年中央気象台(現気象庁)にはいり,21年産業気象課長。26年からサクラ開花予想発表。43年成蹊大教授。農業気象学の発展につくした。日本農業気象学会,産業科学学会の会長。平成12年7月25日死去。89歳。東京出身。東京帝大卒。著作に「新編農業気象学通論」など。

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