大帷子(読み)オオカタビラ

デジタル大辞泉 「大帷子」の意味・読み・例文・類語

おお‐かたびら〔おほ‐〕【大帷子】

装束の下に着る麻布製のひとえの衣。暑中汗取りとして用いた。
のりを強くした白布で仕立て、武家正装である直垂ひたたれの下に重ねて着たもの。

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精選版 日本国語大辞典 「大帷子」の意味・読み・例文・類語

おお‐かたびら おほ‥【大帷子】

〘名〙
① 装束の下に着る布製の衣。単衣(ひとえ)より小さく短い。もと汗取りとして夏だけ用いたが、後世は春冬は白、夏秋は紅、老人香染を用いた。また、単衣・下襲の襟(えり)をつけ、袖に単衣の袖だけつけて用いることがある。〔三条家装束抄(1200頃か)〕
② 武家で糊をこわくつけた白布で仕立て、単衣の直垂(ひたたれ)の下に重ねて着たもの。〔御評定着座次第(1403‐08頃か)〕

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世界大百科事典(旧版)内の大帷子の言及

【帷子】より

…装束の帷子は,はじめ装束の下に肌身につけた汗取(あせとり)から起こり,夏季に袷衵(あわせあこめ)をはぶいて単襲(ひとえがさね)を着て,下に麻の帷子を着用した。のちには赤帷子に衵や単の袖をつけて用いたり,さらに大帷子といって夏冬を通じて紅の帷子の袖と襟に,単と下襲(したがさね)の裂をつけて小袖の上に用いるようになった。武家では直垂(ひたたれ)着用のときに,のりを強くした白の帷子を重ねるのを正式とした。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」