大岡裁き(読み)オオオカサバキ

デジタル大辞泉 「大岡裁き」の意味・読み・例文・類語

おおおか‐さばき〔おほをか‐〕【大岡裁き】

公正で人情味のある裁定判決。江戸中期の名奉行といわれた大岡忠相裁判に仮託していう。

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故事成語を知る辞典 「大岡裁き」の解説

大岡裁き

公正で人情味のある裁定・判決のこと。

[使用例] 人は何いつの世にも、大岡裁きを喜ぶものである。子争いに始まって、石地蔵をお白洲に引出す興味、三方一両損の論理、皮剝ぎ獄門のトリックは、何時になっても変らない興味である[野村胡堂*銭形平次打明け話|1955]

[由来] 一般に「大岡政談」という名前で呼ばれている講談脚本・小説などで、江戸中期の名奉行といわれた大岡ただすけえちぜんのかみ)が下す判決のこと。その多くは、実在の大岡忠相とは関係がありませんが、一連の物語は庶民から大きな人気を博し、日本のミステリの源流となりました。

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世界大百科事典(旧版)内の大岡裁きの言及

【大岡政談物】より

…そのおもなものは《天一坊》《村井長庵》《嘉川主税之助》《直助権兵衛》《後藤半四郎》《松葉屋瀬川》《小間物屋彦兵衛》《煙草屋喜八》《畦倉重四郎》《鈴川源十郎》《越後伝吉》《白子屋お熊》《雲霧仁左衛門》《津の国屋お菊》《小西屋嫁入》《三方一両損》など。このような作品の中でのその判決は〈大岡裁き〉といわれ,名判決の代名詞になった。大岡越前守の偶像化は,封建体制下の裁判の冷酷さ,過酷な刑罰に対する庶民の恐怖の裏返しであり,正義の裁きを求める庶民の願望の所産でもあろう。…

※「大岡裁き」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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