精選版 日本国語大辞典 「大太鼓」の意味・読み・例文・類語
おお‐だいこ おほ‥【大太鼓】
だ‐だいこ【大太鼓】
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雅楽の左右の舞楽に用いる大型の締(しめ)太鼓。鼓胴の周縁に燃え盛る炎を表す巨大な尖塔(せんとう)型の装飾が施されることから、火焔(かえん)太鼓ともいう。鼓面の大きさはさまざまで直径2メートル前後。一枚皮の周囲に穴をあけ、調緒(しらべお)を通して両面から強く締める。左方用、右方用があり、火焔の中央から突き出た約240センチメートルの柄の先に、左方では金色の「日形(にちぎょう)」、右方では銀色の「月形(げつぎょう)」とよばれる数十本の棒の突き出た円板がつく。火焔の中には、連なる雲を背景に左方では昇竜、右方では鳳凰(ほうおう)が浮彫りされ、鼓面には左方では三巴(みつどもえ)、右方では二巴(ふたつどもえ)の模様が黒漆で描かれている。それぞれ、高欄を四方に巡らせた高さ1メートルほどの胴台にのせられ、奏者は太鼓の裏側に立ち、2本の桴(ばち)で打奏する。奏法は管絃(かんげん)の楽太鼓と同じ。数は少なく、奈良・春日(かすが)大社、大阪・四天王寺のものは重要文化財に指定されている。
[橋本曜子]
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…ただし,〈太鼓〉という言葉が指す楽器は,それを用いる種目ごとに,その特定のもののみを狭義にいう場合もあり,たとえば能においては猿楽太鼓(さるがくだいこ)ともいわれる締太鼓(しめだいこ)のことを,単に〈太鼓〉という。また,洋楽器のドラム類の訳語として〈太鼓〉の語を用い,バス・ドラム,ゴング・ドラムなどを〈大太鼓(おおだいこ)〉,サイド・ドラム,スネア・ドラム類を〈小太鼓(こだいこ)〉と称することもある。特殊な用例としては,幇間(ほうかん∥たいこもち)の別称として用いられたりするが,その語源は,定めがたい。…
…また,舞台への登場は,むかって右手からが作法である。舞楽舞台の左右には〈大太鼓(だだいこ)〉を配するが,右方は二ッ巴で月輪をいただき,台座に緑色布をめぐらす。前述のように,右舞に属する曲は原則的には高麗楽を伴奏とするが,唐楽を伴奏とする右方の舞が若干ある。…
…神道系祭式芸能(大和歌を除く)では和琴(わごん)が用いられる。〈打ちもの〉には鼓類,鉦鼓類,太鼓類の3種があり,鼓類に羯鼓(かつこ)(唐楽の新楽で用いる),壱鼓(唐楽の古楽などで用いる),三ノ鼓(高麗楽),鉦鼓類に釣鉦鼓(管絃),大鉦鼓(舞楽),太鼓類に楽太鼓(がくだいこ)(管絃),大太鼓(だだいこ)(舞楽)の別がある。大太鼓はまた特に壮麗な火焰飾をもつことから,火焰太鼓ともよばれる。…
…ただし,〈太鼓〉という言葉が指す楽器は,それを用いる種目ごとに,その特定のもののみを狭義にいう場合もあり,たとえば能においては猿楽太鼓(さるがくだいこ)ともいわれる締太鼓(しめだいこ)のことを,単に〈太鼓〉という。また,洋楽器のドラム類の訳語として〈太鼓〉の語を用い,バス・ドラム,ゴング・ドラムなどを〈大太鼓(おおだいこ)〉,サイド・ドラム,スネア・ドラム類を〈小太鼓(こだいこ)〉と称することもある。特殊な用例としては,幇間(ほうかん∥たいこもち)の別称として用いられたりするが,その語源は,定めがたい。…
※「大太鼓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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