大坂城内見聞録(読み)おおさかじょうないけんぶんろく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大坂城内見聞録」の意味・わかりやすい解説

大坂城内見聞録
おおさかじょうないけんぶんろく

1586年(天正14)4月、豊後(ぶんご)国(大分県)臼杵(うすき)城主大友宗麟(そうりん)が島津氏の豊後侵略のいきさつを豊臣(とよとみ)秀吉に訴えるため、大坂城に赴いたときの書状形式の手記。国許の家臣にあてて堺(さかい)の妙国寺で認めたもの。大坂城下町繁栄のようす、城内の絢爛(けんらん)豪華なようすが詳しく書かれている。宗麟が秀吉の案内で天守閣に昇り、「近国近方之在々所々」を展望し、「三国無双」の城と感激したことや、千利休(せんのりきゅう)から「内々之儀は宗易(そうえき)(利休)」にまかせ、「公儀之事は宰相羽柴(はしば)秀長)存じ候」と励まされた話などはよく知られている。

[北島万次]

『岡本良一著『大坂城』(1970・岩波書店)』『田北学編『大友史料 第二輯』(1938・金洋堂書店)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大坂城内見聞録」の意味・わかりやすい解説

大坂城内見聞録
おおさかじょうないけんぶんろく

大友宗麟の手記。1通。宗麟が豊臣秀吉島津義久の豊後侵略を訴えにきたとき,大坂城内で見聞したことを内容とする。大坂城内の繁栄の様子や秀吉の生活などを知るには絶好史料で,当時の大坂城を観察したもののなかでは最も詳しい。『大友史料第二集』所収

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