大土地所有(読み)だいとちしょゆう

世界大百科事典(旧版)内の大土地所有の言及

【アシエンダ】より

…かつてスペインが支配していた地域における伝統的な大農園をいう。
[ラテン・アメリカ]
 ラテン・アメリカにおける極端な所得格差や貧困の大きな原因は,ラティフンディオlatifundio(大土地所有)の存在にあるが,この大土地所有は一般に大規模な輸出向け商品生産を行うプランテーション型と伝統的なアシエンダ型に分けられる(ブラジルについては〈ファゼンダ〉参照)。アシエンダの特徴は,(1)国内・地域市場向け商品生産と自給生産の並存,(2)資本・技術の欠如,(3)土地の低利用,生産の非能率,(4)間接経営部門(地主―小作関係)の存在,(5)原住民共同体への労働力依存,(6)地主の家父長的支配,があげられる。…

【エクアドル】より

…これらインディオ人口が社会の最下層をなし,山地人口の60%以上がインディオ零細農民よりなる。彼らの多くは土地を持たず,大土地所有者から労働の代償として家や小作地を借りるワシプンゴ制に依存しており,農村社会の近代化を妨げている。一方,メスティソはインディオの固有の習慣を捨て都市周辺に定着し,日雇労働者からしだいに商業に転じ,都市社会の下層部を構成している。…

【ラティフンディウム】より

…古代ローマの大土地所有。ローマ共和政初期には,市民間の土地所有における格差は,それほど大きなものではなかった。…

※「大土地所有」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」