大史(読み)だいし

精選版 日本国語大辞典 「大史」の意味・読み・例文・類語

だい‐し【大史】

〘名〙
令制で、神祇官太政官主典(さかん)うち、上位者の官名。太政官では、左・右に分かれていた。定員は左、右各二人。
令義解(718)職員「左大史二人。右大史二人」
② 明治二年(一八六九制定職員令により、神祇官・太政官に置かれた奏任官。同四年の改定で廃されたが、太政官の大史は同八年復活し、同一〇年再び廃された。

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デジタル大辞泉 「大史」の意味・読み・例文・類語

だい‐し【大史】

律令制で、神祇官太政官だいじょうかん主典さかんのうち、少史の上に位するもの。

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世界大百科事典(旧版)内の大史の言及

【史】より

…しかし〈ふみひと〉の原義はのちまで残り,701年大宝令施行直前に〈民官(のちの民部省)の戸籍を勘(かんが)える史(ふみひと)〉が置かれ,また静岡県伊場遺跡からは〈評(のちの郡)史(こおりのふみひと)〉と書かれた木簡が出土していて,史が官職名として用いられたことが知られる。律令制の官制では,神祇官の主典(四等官の第4等官)に大史1人(正八位下相当)・少史1人(従八位上相当),太政官の左右の弁官にそれぞれ大史2人(正六位上相当)・少史2人(正七位上相当)が属している。いずれも文書の作成などを職掌とする官職であるが,平安時代になると,弁官の大史に五位を帯する者が任ずるようになり,やがて大史の上席を官務(かんむ)と称し,小槻(おづき)氏(のちの壬生家)が世襲するにいたった。…

※「大史」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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