大原野(読み)おおはらの

精選版 日本国語大辞典 「大原野」の意味・読み・例文・類語

おおはらの おほはらの【大原野】

古今(905‐914)雑上・八七一・詞書「二条のきさきの、まだ東宮の御息所と申しける時に、おほはらのにまうでたまひける日よめる」
[二] 京都市西京区大原野台地。古くは石作(いしつくり)郷。西方に大原山(小塩山)があり、平安時代は朝廷の狩猟が行なわれた。竹林が多い。大原野神社、淳和天皇陵勝持寺がある。

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デジタル大辞泉 「大原野」の意味・読み・例文・類語

おおはらの〔おほはらの〕【大原野】

京都市西京区の地名。淳和じゅんな天皇陵・大原野神社善峰寺勝持寺(花の寺)など史跡が多い。古歌には「大原」ともいう。通称、西山。

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日本歴史地名大系 「大原野」の解説

大原野
おおはらの

歴史的には小畑おばた川と善峰よしみね川に囲まれる小塩おしお山東麓の谷口扇状地一帯をさす地名。現西京区大原野北春日町・南春日町を中心に、近年造成された洛西らくさいニュータウンの西半地域をさし、現在「大原野」を冠した各町名の地域とは必ずしも一致しない。原始は原野と沼沢であったと想像されるが、小畑川東岸に長岡京(現向日むこう市・長岡京市一帯)がつくられて以来開発されている。西斜面に藤原氏の氏神春日明神を勧請した大原野神社がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大原野」の意味・わかりやすい解説

大原野
おおはらの

京都市西京区の一地区。京都盆地西縁の小塩(おしお)山(641メートル)山麓(さんろく)に広がる洪積台地大部分を占め、水利に乏しく、竹林に利用され、タケノコの産出が多い。サクラが多く「花の寺」で知られた勝持寺(しょうじじ)、長岡京遷都の際、藤原氏が奈良の春日(かすが)大社を勧請(かんじょう)した大原野神社のほか、小塩山中腹には金蔵(こんぞう)寺、三鈷(さんこ)寺、善峰(よしみね)寺などがある。近年宅地化が著しく、北部の竹林を開いて洛西(らくせい)ニュータウンが造成された。西部に大原野森林公園がある。

織田武雄

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大原野」の意味・わかりやすい解説

大原野
おおはらの

京都市西京区の一地区。京都盆地西縁に位置。旧村名。 1959年京都市に編入。老ノ坂山地の東麓一帯の台地,丘陵から成り,モウソウチクの林が多く,たけのこの産地として有名。北東部は大規模な洛西ニュータウンの一部をなす。宝菩提院 (菩薩半跏像を所蔵。国宝) ,大原野神社,「花の寺」とも呼ばれる勝持 (しょうじ) 寺,善峰 (よしみね) 寺,十輪寺,三鈷 (さんこ) 寺などがある。遊龍松は天然記念物。

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