デジタル大辞泉
「大厄」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
たい‐やく【大厄】
〘名〙 (「だいやく」とも)
① 八卦忌
(はっけいみ)の一つで、ある
方角を忌方とする厄の
月日。
陰陽師が
勘申する八卦忌勘文で、小衰
(しょうすい)とともに節切りで示される。物忌が行なわれるが、比較的軽い。八卦物忌、八卦
厄日、八卦慎日、厄日ともいう。
※
朝野群載‐一五・治暦元年(1065)一二月一〇日「治暦二年歳次丙午、御忌、御年卅三〈略〉小衰〈略〉、大厄〈二月六日、十一日。七月十日、十五日、十七日。不
レ可
二北行
一〉」
② 厄月法で、生まれ年(
十二支)ごとに、小厄
(しょうやく)とともに定められた、厄の月日と方角。
※
医心方(984)二「厄月法 蝦蟇経云、凡子年生人、大厄在未、小厄在丑、衰六月、十二月〈略〉以厄日不可灸刺、灸刺則死。又以此日服薬大凶」
③ ひじょうな災難。大難。〔運歩色葉(1548)〕
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉八「若しかくの如き急難大厄に逢ひなば」
④
近世の
俗信で最も忌むべき厄年。男四二歳、女三三歳など。
※俳諧・誹諧之連歌(飛梅千句)(1540)
追加「
かんきんやそぞろ寒くておとさまし ほしにあたるはことし大やく」
[
補注](1)「医心方‐二」や「
簾中抄‐下」では、「一説月厄」と①の
挙例とは別の月日と方角もあげている。
(2)②の「大厄」「小厄」の
実態は不明。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報