大典(読み)たいてん

精選版 日本国語大辞典 「大典」の意味・読み・例文・類語

たい‐てん【大典】

〘名〙
① 重要な典籍。また、大部の記録。〔後漢書‐鄭玄伝論〕
② (「だいてん」とも) 令制で、大宰府の主典(さかん)四人中の上位者二人の官名。正七位上相当官。〔令義解(718)〕
③ 重大な儀式。盛典。大儀
※教部省伺‐明治五年(1872)六月七日(法規分類大全)「祭政の大典頽敗せること甚し」
④ 重要な法典。すぐれた法律。大法。〔布令字弁(1868‐72)〕
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉一一「賞罰は天下の大典(タイテン)、朕一人の私すべきにあらず」 〔漢書‐郊祀志下〕

だいてん【大典】

江戸中期の侶、漢学者。法諱は顕常。字は梅荘。別蕉中、東湖など。近江の人。京都相国寺慈雲庵の独峰慈秀の侍者となり、宇野明霞(めいか)儒学、詩文を学んだ。のち相国寺一一三世、五山碩学に推され、朝鮮修文職をつとめた。著に「皇朝事苑」「北禅遺草」など。享保四~享和元年(一七一九‐一八〇一

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デジタル大辞泉 「大典」の意味・読み・例文・類語

だいてん【大典】

[1719~1801]江戸中期の臨済宗の僧。近江の人。名は顕常、あざなは梅荘。大典は号。京都の相国寺住持対馬つしま赴任幕府の朝鮮修文職として国交文書を司る。著作に「小雲棲稿」「皇朝事苑」「北禅遺草」など。

たい‐てん【大典】

重大な儀式。大儀。大礼。「即位大典
重要な法典。大法。「不磨大典
律令制で、大宰府主典さかん少典の上に位するもの。
[類語]栄典祝典祝儀祭典祭礼祭儀大祭大儀大礼典礼盛儀儀式式典

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世界大百科事典 第2版 「大典」の意味・わかりやすい解説

だいてん【大典】

1719‐1801(享保4‐享和1)
江戸中期の臨済宗の学僧。諱(いみな)は顕常。字は梅荘(ばいそう)。蕉中,東湖などと号する。近江(滋賀県)の人。11歳のとき,相国寺慈雲庵の独峰慈秀の侍者となる。かたわら,宇野明霞(めいか)らについて儒学,詩文を学んだ。1745年(延享2)独峰の法を継ぎ,慈雲庵の住持となったが,やがて隠棲の志を起こし,洛北洛東の寺庵に閑居すること13年,この間,学問著述に専念した。72年(安永1)慈雲庵に帰り,79年61歳で相国寺113世となる。

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普及版 字通 「大典」の読み・字形・画数・意味

【大典】だいてん

大礼。

字通「大」の項目を見る

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大典」の解説

大典 だいてん

梅荘顕常(ばいそう-けんじょう)

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