大光寺村(読み)だいこうじむら

日本歴史地名大系 「大光寺村」の解説

大光寺村
だいこうじむら

[現在地名]平賀町大光寺

ひら川と引座ひきざ川に挟まれた扇状地にあり、東を広船ひろふね川、西を六羽ろつぱ川が流れる標高三五メートルの小台地上に立地する。

元弘四年(一三三四)正月一〇日の曾我光高代恵藤道為軍忠注進状案(遠野南部文書)に「於元弘三四両年 津軽平賀郡大光寺楯郷合戦次第」とある。しかしこれ以前から大光寺には曾我氏がいたと思われ、曾我小五郎真光の嫡流太郎兵衛助光が大光寺に、庶流の五郎次郎惟重が岩楯いわだてを支配したという。嫡流方の史料はないが、惟重が父から「平賀郡内平賀郷」の地頭代職を受継ぎ、北条義時に承認されたのは承久四年(一二二二)であった(「北条義時下知状」斎藤文書)。助光の系譜は弘前長勝ちようしよう寺の嘉元鐘の檀那の一人沙弥道性に続き、道性の長男が曾我左衛門太郎重経である。前記の元弘四年の大光寺合戦では武家方の大光寺曾我氏は敗北し、石川いしかわ(現弘前市)持寄もちよせ(現中津軽郡相馬村)の戦を経て滅びた。建武元年(一三三四)一二月一四日の津軽降人交名注進状(遠野南部文書)に次のようにある。

<資料は省略されています>

岩楯曾我氏は当初南朝方に属したが、その後北朝方に属し、暦応二年(一三三九)南朝方の南部政長らと大光寺で三ヵ月にわたる激戦を行って撃退した(「曾我貞光申状」遠野南部文書)。曾我氏が大光寺・岩楯を確保していたのは、正平一四年(一三五九)頃までといわれる。正平一五年六月五日の北畠顕信教書(盛岡南部文書)によって南部茂行に「田舎郡冬井日野間両郷 并外浜野尻郷」が、同年同月日の北畠顕信教書(遠野南部文書)によって南部信光に「黒石郷并鼻和郡目谷郷等」が与えられている。

大光寺村
だいこうじむら

[現在地名]栃木市大光寺町

村の北東、おもい(小倉川)くろ川の合流域に立地する。河岸があり、下河岸ともよばれた。思川対岸国分こくぶ(現下都賀郡国分寺町)境に花見岡はなみがおかがあり、北東の藤井ふじい(現同郡壬生町)にかけて吾妻あづま古墳がある。田村境のふるまちの寺院跡から平安初期とされる鋳造仏が出ている。「三宝絵詞」に「下野国に大光寺と云寺あり、その別当一如は、仏のみものをとりうこかして、上臈をおほくのりふみしかは、そのむくひにて大蛇の身となれり」とあり、寺院跡は大光寺をさすか。

大光寺村
だいこうじむら

[現在地名]三和村だい

いし山の西麓にあり、西は今保いまほ村に接する。松之山まつのやま街道東西に通る。天文年間(一五三二―五五)頃と思われる九月二二日付黒田秀忠・新保景重連署状(鞍馬寺文書)に「五十公郷内大光寺」とみえ、中将公に宛行われたとあるが不詳。文禄(一五九二―九六)頃の頸城郡絵図には「冨永与二郎分大光寺村 中」とみえ、本納二石・縄高三石九斗七升九合、家二軒・七人とある。

大光寺村
だいこうじむら

[現在地名]魚津市大光寺・大光寺町

かど川右岸にあり、北は友道ともみち村、西は魚津町田地方うおづまちでんじがた住吉新すみよししん村。正保郷帳では高二六三石余、田方一七町余・畑方四反余、新田高二三石余。寛文一〇年(一六七〇)の村御印によると草高三二〇石・免五ツ七歩、小物成は山役二一匁・鮎川役五匁(三箇国高物成帳)。天保一一年(一八四〇)の打銀高も三二〇石(「高免帳」杉木家文書)。所属組は魚津町田地方と同じ。明治五年(一八七二)の戸数三四(新川県戸数表)。同二二年魚津町と下野方しものがた村に分属。

大光寺村
だいこうじむら

[現在地名]西郷町有木あらき

矢尾やび村の北方に位置し、八尾やび川が流れる。正保国絵図に村名がみえる。貞享五年(一六八八)の「増補隠州記」によれば、田四九石余・三町七反余、畑九石余・四町一反余。小物成は竈役面判銀(以下断りのない限り同銀)四匁・核苧一二〇目役三分、家数一二(百姓四・間脇八)のうち御役目屋敷四、人数六〇、牛・馬各八。

大光寺村
だいこうじむら

[現在地名]揖斐川町大光寺

じようヶ峰山系の南麓、三輪みわ村の北にある。守護土岐頼康の弟頼雄が延文元年(一三五六)竜秋周沢を開山として建立した大興だいこう寺が集落を見下ろす位置にあり、村名は同寺号にちなむ。中世は揖斐庄の内として推移。慶長郷帳に村名がみえ、高九三石余。元和二年(一六一六)の村高領知改帳では西尾嘉教(揖斐藩)領。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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