大元帥(読み)だいげんすい

精選版 日本国語大辞典 「大元帥」の意味・読み・例文・類語

だい‐げんすい【大元帥】

[1] 〘名〙
全軍をひきいる大将総大将大都督(だいととく)
歌舞伎・出来龝月花雪聚(真田幸村)(1871)三幕「御身こそは四百余州の大元帥(ダイゲンスヰ)と仰がれし、其張良に劣らぬ骨柄
陸海軍を統帥する元首の称。旧憲法の下では、陸海軍の統帥者としての天皇のこと。
軍人訓誡(1878)〈山県有朋〉「我が大元帥たる皇上に対し奉り」
[2] =だいげん(大元帥)(一)〔書言字考節用集(1717)〕

だい‐げん【大元帥】

(「たいげん」とも。「帥」の字は発音しないのを例とする)
小右記‐万寿二年(1025)九月五日「大元帥像并雑具損色文早可給治部省
[2] 〘名〙 「だいげん(大元帥)の法」の略。
御堂関白記‐長和六年(1017)正月八日「御衣遣大元・真言院・以頭中将示送右府」

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デジタル大辞泉 「大元帥」の意味・読み・例文・類語

だい‐げんすい【大元帥】

全軍を統率する総大将。日本では、明治憲法下での陸海軍の統率者としての天皇の称。
たいげん(大元帥)

たいげん【大元帥】

《「帥」の字は読まないのを例とする。「だいげん」とも》「大元帥明王たいげんみょうおう」の略。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大元帥」の意味・わかりやすい解説

大元帥
だいげんすい

本来は,中国軍隊の最高統帥者をさす称号であったが,日本では,明治建軍以後 1945年に陸海軍が解体されるまで,明治憲法により天皇の称号として用いられた。天皇は,軍によって「大元帥陛下」と呼ばれた。外国でも元首である最高統帥者を大元帥 generalissimoと呼ぶ場合がある。

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