大儀(読み)たいぎ

精選版 日本国語大辞典 「大儀」の意味・読み・例文・類語

たい‐ぎ【大儀】

〘名〙
① 重大な儀式。国家の儀式で、官人すべてが参列するもの。元日朝拝・即位礼および外国使節接見など。⇔小儀
※延喜式(927)四五「大儀 謂元日即位及受蕃国使
太平記(14C後)二七「当年三月七日に行ふべしと沙汰有しか共、大儀事行はれず」
② 表立った儀礼的な催し事。大がかりな法要演能
※花鏡(1424)序破急之事「序破急の心得、大義の申楽より初めて、酒盛、又はかりそめの音曲の座敷までも、次第次第を心得べし」
③ (形動) 重大な事柄。大きな政治的事件や騒乱。大事なこと。また、そのさま。
※太平記(14C後)九「御上洛候て後、大儀の御計略を回(めぐ)らさるべし」
④ (形動) 経費のかかる事柄。経費を多くかけること。ふんぱつすること。また、そのさま。
※虎明本狂言・三本柱(室町末‐近世初)「大儀な御ふしんも大かたすむ」
⑤ (形動) やっかいなこと。困惑すること。めんどくさいこと。また、体調が悪くてつらいこと。また、そのさま。
吾妻鏡‐仁治二年(1241)一一月三〇日「武衛斟酌、頗似大儀
人情本春色梅児誉美(1832‐33)一五「今朝化粧をするのも太義(タイギ)だ」
⑥ (形動) 他人骨折りをねぎらい慰労することば。ごくろうさん。御苦労
※大観本謡曲・葵上(1435頃)「唯今御出御大儀にて候」

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デジタル大辞泉 「大儀」の意味・読み・例文・類語

たい‐ぎ【大儀】

[名・形動]
即位式朝賀など、朝廷で行われる最も重要な儀式。大典。→中儀小儀
重大な事柄。大事なこと。「大儀の前の小儀」
やっかいなこと。また、そのさま。おっくう。めんどう。「今から出かけるのは大儀だ」
疲れなどのため何もする気になれないこと。また、そのさま。「すわっているのも大儀そうに見える」
他人の労をねぎらうときに用いる語。ご苦労。
「『―じゃ』と、利仁が声をかける」〈芥川芋粥
費用のかかること。また、そのさま。
「縁付きの時分、さのみ―になきやうに、覚悟よろしき仕方なり」〈浮・胸算用・三〉
[類語](1栄典祝典祝儀祭典祭礼祭儀大祭大礼大典典礼盛儀儀式式典/(3面倒臭い世話煩雑面倒厄介手数てかず手数てすう複雑煩瑣はんさ難しいうるさい煩わしいややこしいやかましいくだくだしいうっとうしいこうるさい気詰まりしち面倒しち面倒臭い難儀煩多錯雑錯綜さくそうしち難しい入り組む込み入る手が込む気が重い気が進まない気乗り薄うんざり億劫おっくう渋る投げ遣り懶惰らんだ横着怠慢怠惰不精懈怠けたい飽き飽き世話が焼ける手が掛かる冗長繁簡ごたごたもつれる入り乱れる紛糾ごっちゃ乱雑雑然

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普及版 字通 「大儀」の読み・字形・画数・意味

【大儀】たいぎ

重大な儀礼。

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