大僧正(読み)だいそうじょう

精選版 日本国語大辞典 「大僧正」の意味・読み・例文・類語

だい‐そうじょう ‥ソウジャウ【大僧正】

〘名〙
① 仏語。僧綱一つ僧官最高位。天平一七年(七四五)、行基(ぎょうき)が任じられたのが最初。二位大納言に相当する。
※続日本紀‐天平一七年(745)正月己卯「詔以行基法師僧正」 〔仏祖統紀‐五一〕
② 鰯(いわし)をいう、僧侶隠語
洒落本・世説新語茶(1776‐77か)坊客「『海老が緋の衣、鰯が大僧正(ダイソウゼウ)の』〈略〉『ハテいはしの事をば紫といふじゃアねへか。大そう正でなければむらさきゃア着られねへからさ』」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「大僧正」の意味・読み・例文・類語

だい‐そうじょう〔‐ソウジヤウ〕【大僧正】

僧綱そうごうの最高位。僧正上位
[類語]僧正僧都律師

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大僧正」の意味・わかりやすい解説

大僧正
だいそうじょう

僧綱の一つ。中国で創始され,日本では推古 32 (624) 年に初めてこの制度が用いられた。のちになって僧正に大,正,権の3種の階級が使われるようになり,大僧正はそのうちの最高位。現在でも各宗派の僧侶の最高位の名称となっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大僧正の言及

【天狗】より

…とくに有名なのは京都北山の鞍馬山で,天狗の絶大な除魔招福の霊力を,恐怖とともに信仰祈願する者が絶えない。この天狗の別称は大僧正で,大魔王尊は僧正谷にまつられている。牛若丸に武技を授けた天狗としても人口に膾炙(かいしや)しているが,大僧正の名称は上級山伏を大僧(だいそう)と呼ぶところからきているであろう。…

※「大僧正」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android