大井川(静岡県の旧町名)(読み)おおいがわ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

大井川(静岡県の旧町名)
おおいがわ

静岡県中南部、志太郡(しだぐん)にあった旧町名(大井川町(ちょう))。現在は焼津(やいづ)市の南部を占める一地区。大井川下流左岸に位置し、東側は駿河(するが)湾に面する。旧大井川町は1955年(昭和30)吉永(よしなが)、静浜(しずはま)、相川の3か村が合併して町制施行。2008年(平成20)焼津市に編入。国道150号が通じる。大井川の扇状地上にあり、集落の多くは江戸時代以降の開発による。典型的な散村の形態がみられ、洪水に対処するために川の上流部に舳先(へさき)を向けた型の舟型屋敷はこの地方独特のもの。東部に航空自衛隊静浜基地があり、パイロットを養成。南部は伏流水を利用した養鰻業(ようまんぎょう)が近年まで盛んであったが、現在は工場誘致が積極的に進められている。また、米作を中心に、トマト、イチゴ、ナシを栽培。サクラエビ、シラス漁業も営まれる。河口左岸に大井川港が築港され、地方商工港の役割を果たしている。「藤守の田遊び(ふじもりのたあそび)」(3月17日)は国指定重要無形民俗文化財。

[川崎文昭]

『『大井川町史』全3巻(1984~1992・大井川町)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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