普及版 字通 「夢(漢字)」の読み・字形・画数・意味
夢
常用漢字 13画
(旧字)
14画
(異体字)
21画
[字訓] ゆめ・ゆめみる・くらい
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 会意
(かん)+夕(せき)。は媚蠱(びこ)などの呪儀を行う巫女の形。目の上に媚飾を施している。その呪霊は、人の睡眠中に夢魔となって心をみだすもので、夢はそのような呪霊のなすわざとされた。〔説文〕は夕部七上にを録して「らかならざるなり」と夢夢の意を以て解し、また部七下にを録して「寐(い)ねて覺むることるなり」という。夢夢の義は(ぼう)、〔説文〕四上に「目らかならざるなり」とあるものがその字義にあたる。〔周礼〕ににの字を用い、〔春官、占夢〕に「六の吉凶を占ふ」として、その法をしるしている。は神霊の啓示として睡眠中にあらわれるもので、媚女がその呪霊を駆使した。それで字はに従う。の中にある姿を(寛)という。しどけなき姿をしていたのであろう。歳終に堂贈(どうそう)という大儺(たいだ)の礼を行い、夢送りの行事をして年間の悪夢を祓(はら)った。夢魔にって、にわかに没することを(こう)という。貴人にその死にざまが多かったのであろう。
[訓義]
1. ゆめ、ゆめみる。
2. くらい、みだれる、まどう。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 ユメ・イメミシニ 〔字鏡集〕 ウタタネ・ネムル・イヌ・フス
[部首]
〔説文〕にを部首とし、寐・寤・など九字、〔玉〕はさらに七字を加える。は〔説文〕「楚人、寐(び)を謂ひてと曰ふ」とあり、女(じよ)声とする。下に女をしるすのは、媚蠱(びこ)をなす女を示すものと思われる。
[声系]
〔説文〕はをの省声の字とし、声として・など三字、また(ぼう)をの省声の字とする。は屋棟の瓦。それが呪飾としての意味をもつものならば、声の字の字と解してよい。
[語系]
・miungは同声。また、mng、冥・瞑myeng、・・・・mong、muなどもみな声義に通ずるところがあり、冥の意を含む。
[熟語]
夢夢▶・夢遺▶・夢影▶・夢魘▶・夢厭▶・夢華▶・夢覚▶・夢感▶・夢帰▶・夢境▶・夢▶・夢月▶・夢見▶・夢幻▶・夢言▶・夢後▶・夢語▶・夢魂▶・夢思▶・夢死▶・夢像▶・夢讖▶・夢醒▶・夢想▶・夢中▶・夢兆▶・夢徴▶・夢枕▶・夢破▶・夢寐▶・夢筆▶・夢卜▶・夢遊▶・夢余▶・夢裏▶
[下接語]
悪夢・異夢・一夢・遠夢・厭夢・佳夢・覚夢・夢・寒夢・感夢・寄夢・帰夢・綺夢・吉夢・客夢・旧夢・凶夢・狂夢・郷夢・驚夢・暁夢・献夢・孤夢・午夢・寤夢・好夢・香夢・昏夢・昨夢・三夢・残夢・愁夢・春夢・乗夢・新夢・真夢・酔夢・瑞夢・征夢・占夢・浅夢・大夢・断夢・痴夢・昼夢・通夢・同夢・入夢・破夢・飛夢・卜夢・迷夢・夜夢・幽夢・余夢・妖夢・遥夢・冷夢・霊夢
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報