多鯰ヶ池(読み)タネガイケ

デジタル大辞泉 「多鯰ヶ池」の意味・読み・例文・類語

たね‐が‐いけ【多鯰ヶ池】

鳥取県東部、鳥取市北東部にある湖。面積約2.4平方キロメートル、最大水深16メートル。鳥取砂丘の裏に位置し、浸食谷砂丘を防いでできた閉塞へいそく湖。淡水富栄養湖。山陰海岸国立公園に属する。

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日本歴史地名大系 「多鯰ヶ池」の解説

多鯰ヶ池
たねがいけ

鳥取市と福部ふくべ村にまたがる淡水の池。大鯰池あるいは多鯰池・種ヶ池・多禰池とも記された。周囲三・三八キロ、面積約二平方キロで、注ぎ込む川も流れ出す川もない。江戸時代の邑美郡浜坂はまさか村と岩美いわみ湯山ゆやま(現福部村)にまたがり、但馬往来が池の北側を通った。池の南側には山が迫り、北側には日本海との間に鳥取砂丘が広がる。第三紀層の浸食谷を砂丘がふさいだ堰止湖で、湖面海面より一六メートル高く、湖底最深部も海面より約二メートル高い(砂丘の生い立ち)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「多鯰ヶ池」の意味・わかりやすい解説

多鯰ヶ池
たねがいけ

鳥取県東部、鳥取砂丘裏にある淡水富栄養湖。鳥取市に属する。面積2.4平方キロメートル。水面標高17メートル、最大水深13.8メートル。侵食谷海岸砂丘侵入でせき止められてできた閉塞(へいそく)湖である。正・副湖盆からなり、透明度3.4メートル。有機塩類に乏しくプランクトンも少なかったが、近年観光地化のためやや汚染している。北東隅にはスイレンが浮き、カラスガイコイフナヤリタナゴなどが生息し、カモタゲリが飛来する。蛇精伝承があり、シイツバキが茂る陸繋(りくけい)島の大島には弁財天を祀(まつ)る。山陰海岸国立公園の一部。

[岩永 實]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多鯰ヶ池」の意味・わかりやすい解説

多鯰ヶ池
たねがいけ

鳥取県北東部,鳥取砂丘南部にある湖。面積 2.4km2。最深部 13.8m。砂丘によってせき止められて形成された湖で,鳥取市に属する。蛇精の伝説を秘め,岸辺にはシイ,ツバキの樹林のある弁天の森やマツ林,二十世紀梨園などがあり,砂丘とともに優れた景観を呈する。山陰海岸国立公園に属する。

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