多軸型国土構造(読み)たじくがたこくどこうぞう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「多軸型国土構造」の意味・わかりやすい解説

多軸型国土構造
たじくがたこくどこうぞう

五全総で打ち出された国土開発戦略のひとつ。太平洋ベルト地帯にさまざまな機能が集中する従来からの一軸構造を見直し、新たな国土軸を設定する考え。国土軸とは気候風土、地理的な特性で共通性のある地域と、その連なりからなる幅広い軸状の圏域をさす。五全総では「北東国土軸」「日本海国土軸」「太平洋新国土軸」「西日本国土軸」の四つの軸を想定している。それぞれの国土軸が世界に開かれ、近隣諸国との交流を進めることで、国土の均衡ある発展と多様な暮らしの選択可能性が出てくると期待されている。ただ、国土軸は新幹線や高速道路など交通網の整備目標を示すものではないとされるため、国土開発の考え方としては抽象的で、現実的な戦略性に乏しいとの批判がある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android