多々良孝平(読み)ただらこうへい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「多々良孝平」の意味・わかりやすい解説

多々良孝平
ただらこうへい
(?―1869)

幕末維新期の一商人肥前(ひぜん)国平戸(ひらど)(長崎県平戸市)田助浦(たすけうら)の生まれ。田助浦が京・大坂と長崎との海路の寄泊地であったため、幕末の志士の多くがこの地を訪れる。炭屋船宿家業としていた孝平の家にも多くの志士が宿泊し、木戸孝允(たかよし)、高杉晋作(しんさく)、西郷隆盛(たかもり)らと親しくなる。家に「天朝御用船御宿」の看板を掲げて長州藩の用達を勤め、倒幕運動に協力した。維新後、木戸らが孝平を政府に招聘(しょうへい)しようとしたが、病没。その使者の到着する1週間前、明治2年12月5日であった。

[奈倉哲三]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「多々良孝平」の解説

多々良孝平 たたら-こうへい

?-1870* 幕末の商人。
肥前平戸(長崎県)の田助浦(たすけうら)で炭屋,船宿をいとなみ,西郷隆盛,桂小五郎(木戸孝允(たかよし))らに宿を提供,「天朝御用船御宿」の看板をかかげ長門(ながと)(山口県)萩(はぎ)藩の用達もつとめた。明治2年12月5日死去。

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