外胚葉(読み)がいはいよう

精選版 日本国語大辞典 「外胚葉」の意味・読み・例文・類語

がい‐はいよう グヮイハイエフ【外胚葉】

〘名〙 後生動物発生途中で、胚の外表面または上面にみられる胚葉原腸形成の時に、胚内に移動する内胚葉中胚葉と分離し、胚の表面に残る。のちに、主として表皮神経系が形成される。

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デジタル大辞泉 「外胚葉」の意味・読み・例文・類語

がい‐はいよう〔グワイハイエフ〕【外×胚葉】

胚葉の一。発生初期の嚢胚のうはい期における胚の外表面の細胞層。将来、表皮や中枢神経系感覚器官などに発達する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「外胚葉」の意味・わかりやすい解説

外胚葉
がいはいよう

動物の胚で、原腸胚期(あるいはそれに相当する時期)以後ある期間、胚の外側を覆う層状の細胞集団をいう。複雑な体制をもつ動物の胚では、外胚葉の一部は、原腸形成時に陥入した中胚葉細胞集団の影響下に脳、神経管をつくり、さらに脳は外胚葉に働きかけ、目、鼻などをつくる。神経管形成時、胚内に入った外胚葉細胞(神経冠細胞)は胚内各所に移動し、色素細胞神経節などになる。胚表面の外胚葉は表皮や表皮の構造物をつくる組織となる。

[竹内重夫]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「外胚葉」の意味・わかりやすい解説

外胚葉
がいはいよう
ectoderm

動物の発生の初期に,胚部分が2層になった場合の外側の層をいう。内側は内胚葉,またはやがて生じる中間層は中胚葉である。典型的には,中空球状になった胞胚空気の抜けたボール状にくぼんでいくとき,くぼみを包み込む外側になるのが外胚葉である。各胚葉は,その後何になっていくかの予定運命が定まっていて,外胚葉からは,表皮と神経系,間充織と軟骨一部分などが生じる。

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百科事典マイペディア 「外胚葉」の意味・わかりやすい解説

外胚葉【がいはいよう】

胚葉

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栄養・生化学辞典 「外胚葉」の解説

外胚葉

 初期胚の最外層の胚葉で,表皮組織,神経系,目,耳などに分化

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世界大百科事典(旧版)内の外胚葉の言及

【胚葉】より

…その結果,内外二つの細胞層,およびこの両者の間に位置する上皮性または間充織性の細胞が出現する。これらのうち,外に面した細胞層を外胚葉ectoderm,内側に向いた層を内胚葉endoderm,両者に囲まれて直接外界に接することのない細胞群を中胚葉mesodermとよぶ。受精からこの三胚葉の分化までの過程の具体的な様相はさまざまであっても,すべての多細胞動物に共通している。…

※「外胚葉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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