外方(読み)とかた

精選版 日本国語大辞典 「外方」の意味・読み・例文・類語

と‐かた【外方】

〘名〙
外部。そとの方。
※経信集(1097頃)「山里は夜床さえつつあけぬらしとかたぞ鐘の声きこゆなり」
② 他のところ。よそ。ほか。〔書言字考節用集(1717)〕
浄瑠璃心中宵庚申(1722)上「コリャ半兵衛、おおとゆったらむつかしいぞ、外方(トカタ)にもほれてが有」
③ 外様。御内の人に対する語。
※鶴岡事書日記‐応永二年(1395)八月「人数勘合之時、御内方十七人也。外方八人也」
[補注]「和歌童蒙抄‐二」には、①の挙例「経信集」の歌について「いづかたぞと云ふべきをとかたぞとよめるいかに」とあって、この語を、どの方角、どちらの意に解している。

そと‐ざま【外方】

〘名〙 そとの方。ほかの方。ほかざま。
※俳諧・和漢文操(1723)渋笠の銘并序「其かたちうらの方にまき入、外ざまに吹かへりなど、荷葉の半ひらくるに似て、中々おかしき姿也」

がい‐ほう グヮイハウ【外方】

〘名〙 ある範囲の外のほう。自分の属している家、国などの外部。⇔内方。〔日葡辞書(1603‐04)〕〔黄滔‐喜侯舎人蜀中新命詩〕

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デジタル大辞泉 「外方」の意味・読み・例文・類語

がい‐ほう〔グワイハウ〕【外方】

ある範囲のそと。そとがわ。外部。⇔内方
[類語]外部外界域外圏外枠外埒外外側そとがわ

そっ‐ぽう〔‐パウ〕【外方】

《「そはう(其方)」の音変化か》「そっぽ」に同じ。
いやな顔をして―を向いてしまう」〈風葉・下士官
《「そっぽほ」からともいう》ほおを乱暴にいう語。横っつら
「―をはり曲げるが主義で」〈二葉亭浮雲

そっ‐ぽ【方】

《「そっぽう」の音変化》よその方向。別の方。

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普及版 字通 「外方」の読み・字形・画数・意味

【外方】がいほう

遠方

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