外史(読み)がいし

精選版 日本国語大辞典 「外史」の意味・読み・例文・類語

がい‐し グヮイ‥【外史】

[1] 〘名〙
① 中国、古代の官名。外交上の書記の役割をした。〔周礼‐春官外史〕
② 外記(げき)唐名。外記は、令制における太政官(だいじょうかん)の職員。
職原鈔(1340)上「外記。大二人。相当正六位上。近代五位。少二人。相当正七位上。唐名外史」
③ (朝廷などの公的な役所の命令によらないで)私的に書かれた歴史書民間で書かれた歴史書。野史(やし)。私記。または、その歴史家在野の歴史学者。〔王‐天祿閣外史・序〕
⑤ 文学者などの雅号に添える名。頼山陽のことを山陽外史というたぐい。
※蕉堅藁(1403)「題玉畹外史扇」 〔明史‐文苑伝・趙壎〕
[2] 頼山陽の著「日本外史(にほんがいし)」の略。
郊外(1900)〈国木田独歩〉一「卒業してから先生の宅へ夜分外史を習ひに来たが」

げ‐し【外史】

〘名〙 禅宗で、書記のこと。
※蕉堅藁(1403)「将近県別観中外史

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「外史」の意味・読み・例文・類語

がい‐し〔グワイ‐〕【外史】

朝廷の命などによらずに個人・民間の資格で書いた歴史書。野史。→正史
民間の歴史家。
文人などの雅号に添える称号
外記げき唐名
中国代の官名の一。外国に出す文書を取り扱った職。
げし(外史)

げ‐し【外史】

禅宗で、書記のこと。

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