外典(読み)げてん

精選版 日本国語大辞典 「外典」の意味・読み・例文・類語

げ‐てん【外典】

〘名〙 (古くは「げでん」) 仏語外道の書。世間に行なわれる仏教以外の典籍日本では、主として儒学教典をさす。外書(げしょ)。⇔内典
家伝(760頃)上「従師遊学十有余年、既通内経、亦解外典」 〔大毘婆沙論‐二〕

がい‐てん グヮイ‥【外典】

〘名〙
キリスト教で、聖書正典に近い関係があり、有益であるが、正典と区別される文書旧約外典新約外典二種がある。アポクリファ

と‐つ‐ふみ【外典】

〘名〙 仏教以外の教えを説く書籍。特に儒教経典。げてん
書紀(720)推古元年四月(岩崎本訓)「且内つ教(のり)を高麗僧恵慈に習ひ、外典(トツフミ)を博士覚哿に学びたまふ」

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デジタル大辞泉 「外典」の意味・読み・例文・類語

がい‐てん〔グワイ‐〕【外典】

キリスト教で、聖書正典に含まれていないが重要である文書。アポクリファ。
げてん(外典)

げ‐てん【外典】

《古くは「げでん」》仏語。仏教以外の書籍。外書げしょ。⇔内典

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百科事典マイペディア 「外典」の意味・わかりやすい解説

外典【がいてん】

ギリシア語アポクリファ(アポクリュファapokryphaの訳。聖書の〈正典〉から外されている文書の総称で,旧約外典・偽典と新約外典を含む。カトリックプロテスタント,東方正教会で分類には違いがあるが,いずれもキリスト教形成史の重要史料。→聖書
→関連項目カノン

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普及版 字通 「外典」の読み・字形・画数・意味

【外典】がいてん

儒家の書。

字通「外」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「外典」の意味・わかりやすい解説

外典
げてん

内典・外典

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世界大百科事典(旧版)内の外典の言及

【聖書】より

…しかしヘブライ原典の章節と近代語訳聖書の章節は一部にずれがある。【並木 浩一】
【聖書の外典と偽典】

[旧約外典・偽典]
 〈外典(アポクリファ)〉の原語apokrypha(アポクリュファ)は〈隠されたもの〉を意味するギリシア語である。この言葉は,〈秘義的な教えを記しているゆえに特定の集団の外部に対して隠されるべき書物〉という意味でも用いられたが,やがて〈異端的内容のゆえに排除され隠されるべき書物〉という意味をもつに至った。…

※「外典」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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