夕闇（読み）ゆうやみ

精選版 日本国語大辞典

ゆう‐やみ ゆふ‥【夕闇】

〘名〙

① 夕方、日は没し月はまだ上がらない間の闇。また、その時刻。旧暦一五日を過ぎると月の出が夜とともに遅くなり、二〇日過ぎともなると一〇時を過ぎないと上がらない。宵闇(よいやみ)。《季・秋》

※万葉（８Ｃ後）四・七〇九「夕闇(ゆふやみ)は路たづたづし月待ちていませ吾が背子その間にも見む」

② 夕方から暗闇になること。また、その時期。旧暦の月末から翌月の三日頃までの時期。月が上がらず、また上がっても新月で糸のように細く光の弱い頃。

※源氏（1001‐14頃）蛍「夕やみすぎて、おぼつかなき空の気色の曇らはしきに、うちしめりたる宮の御けはひも、いと艷なり」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

ゆう‐やみ〔ゆふ‐〕【夕闇】

日没後、月が出るまでの間の暗闇。また、その時分。宵闇。「夕闇が迫る」
[類語]宵闇・夜陰・暮色・闇・暗闇・暗がり・真っ暗闇・薄暗がり・手暗がり・暗黒

出典　小学館