なつ‐げ【夏毛】
〘名〙
※古活字本毛詩抄(17C前)一一「革は鳥が夏毛をしてはたへがあらはに見へ
候時」
②
夏期の鹿の毛。
黄褐色になり、その
毛皮は
行縢(むかばき)に用い、その毛は上質の筆となる。
※
今昔(1120頃か)
一九「紺の
水旱を着て、夏毛の
行騰(むかばき)、〈略〉黒造の
大刀を帯
(はき)て」
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デジタル大辞泉
「夏毛」の意味・読み・例文・類語
なつ‐げ【夏毛】
1 鳥獣の夏の毛。晩春から初夏に換毛し、秋まで存続する。⇔冬毛。
2 鹿の夏の毛。夏の半ばを過ぎて黄色になり、白い斑点がはっきり浮き出たもの。毛皮で行縢、毛で筆を作った。
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夏毛
なつげ
summer pelage
温帯や寒帯にすむ哺乳(ほにゅう)類が、夏季につけている毛衣。冬毛より毛足が短く、下毛(綿毛)を欠き、保温力が劣り、毛皮としての価値は低い。一般に冬毛より毛の色が濃厚で、冬毛の純白なオコジョ、イイズナ、ユキウサギなどでは褐色であり、暗褐色で白斑(はくはん)のないニホンジカでは赤褐色の地に多数の白斑があり鮮やかである。いずれも保護色として役だつ。春、古い冬毛が抜け落ちる前に生え始める。秋に下毛が加わって、そのまま冬毛に移行するものと、抜け落ちて新しい冬毛にかわるものとがある。
[今泉吉典]
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