変(漢字)

普及版 字通 「変(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

(旧字)變
23画

[字音] ヘン
[字訓] かわる・かえる・あらためる・みだれる

[説文解字]
[その他]

[字形] 会意
旧字は變に作り、(ばん)+攴(ぼく)。〔説文〕三下に「(かは)るなり」と訓し、声とするが、攴は〔伝〕に「攴は爲すことるなり」というように、撃つことを示す字で、はその撃つべき対象である。〔広雅、釈詁三〕に「剔(あなど)るなり」とあり、變とは変改することをせまる呪儀をいう。言は神に対する立誓で、誓盟をいう。言の両旁に、呪飾として糸飾りがある。その盟誓の書を撃つことは、その盟誓を破り、これを変改することを示す。ゆえに変更・変乱・事変の意となる。変更のもその初形はに作り、丙形の器を撃つ呪儀を示す字である。改の初文は、巳(蛇)形のものを殴(う)つ形。改(かいかい)という祓いの儀礼も、は祟(たたり)をなす呪獣を(う)つ形で、(亥)は祟(すい)ともと同字である。およそ「うつ」ことによって、呪的にものを変更しうるという考えがあった。金文の〔散氏盤(さんしばん)〕に「爽(さうへん)」という語があり、中に盟誓の器をおく形。「變」のような儀礼は、中の聖所で行われたのであろう。

[訓義]
1. かわる、かえる。
2. あらためる、うつりかわる。
3. みだれる、おとろえる、もとる、そむく、やぶる。
4. わざわい、あだ。
5. もののけ、ふしぎ、あやし。

[古辞書の訓]
名義抄〕變 カフ・カハル・ウシナフ・ヤハラク・アラタム・アタラシ・カタチ・マレナリ・タツ 〔字鏡集〕變 ウツラフ・ヤハラグ・ウシナフ・マレナリ・アラタム・カフ・タツ・カヘル・ヒラク・カタチ・カハル・ヤシナフ

[熟語]
変異・変移・変易・変応・変化・変火・変改・変壊・変怪・変革・変格・変換変咎・変形・変計・変権・変現・変幻・変見・変故・変更変詐・変災・変作・変事・変辞変質・変商・変象・変色変心・変身変人・変衰・変変節・変遷・変体・変態・変置・変徴変調・変通・変天変転・変動・変・変風・変文・変貌・変法・変名・変滅変容・変乱・変例・変
[下接語]
異変・一変・運変・応変・化変・卦変・禍変・譌変・改変・怪変・奇変・変・機変・急変・凶変・劇変・激変・譎変・権変・虎変・災変・三変・事変・時変・小変・神変・世変・正変・政変・千変・遷変・桑変・大変・地変・通変・天変・転変・動変・万変・百変・変・不変・風変・物変・兵変・釉変・容変・耀変・流変

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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