売人(読み)ばいにん

精選版 日本国語大辞典 「売人」の意味・読み・例文・類語

ばい‐にん【売人】

〘名〙
商売人商人。あきんど。多く武士がさげすんでいうのに用いた。〔文明本節用集(室町中)〕
上井覚兼日記‐天正一三年(1585)九月二四日「計策を以売人のことくやつれさせ」
売春職業とする女性。売女。遊女
※評判記・色道大鏡(1678)五「傾城屋・挙屋町・郭中の売人(バイニン)等にまでよく見しられて」
③ 売り手。また、麻薬密売組織の末端で、麻薬を売りさばく役割の者。
※危険な女(1961)〈中田耕治〉午前零時四十三分「やっぱり密売人(バイニン)だったのか」

うり‐びと【売人】

〘名〙 物を売る人。売り手。
土左(935頃)承平五年二月一六日「『うりびとのこころをぞしらぬ』」

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デジタル大辞泉 「売人」の意味・読み・例文・類語

ばい‐にん【売人】

品物を売る人。特に、密売組織などの末端で麻薬や銃器などを売りさばく人。
売春婦。遊女。
「色は―の事以来袂にも手は触れまいとの俄の懺悔」〈緑雨・おぼろ夜〉
商売人。商人。
「ここに酒つくれる―に和泉清左衛門といふあり」〈浮・五人女・一〉

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