壮瞥(読み)そうべつ

改訂新版 世界大百科事典 「壮瞥」の意味・わかりやすい解説

壮瞥[町] (そうべつ)

北海道南西部,胆振(いぶり)支庁有珠(うす)郡の町。人口3232(2010)。地名はアイヌ語の〈ソー・ペツ(滝・川)〉に由来する。洞爺(とうや)湖の南東岸に位置し,町域の大部分を山地が占める。東方にオロフレ山(1231m)などの火山性の山地,西方に洞爺湖カルデラ,有珠火山群,昭和新山などの活火山があり,その間を長流(おさる)川が南西へ流れる。長流川沿いをバス路線が通る。1879年岩手県から入植者が移住した。農業は長流川流域で水稲をはじめ,リンゴなどの果樹,豆類,テンサイ,アスパラガスなどが栽培される。また,黒毛牛などの肉牛の飼育も行われ,近年は地熱利用のハウス栽培も注目されている。支笏洞爺国立公園に含まれ,洞爺湖や昭和新山のほか,太平洋の眺望とお花畑で知られるオロフレ峠など景勝地が多い。また洞爺湖南岸に壮瞥温泉(ボウ硝泉,67~91℃),長流川沿いに蟠渓温泉(セッコウ泉,65~70℃),支流ベンケ川沿いに弁景温泉(食塩泉,53~65℃)がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報