境・疆(読み)きょう

精選版 日本国語大辞典 「境・疆」の意味・読み・例文・類語

きょう キャウ【境・疆】

〘名〙
① 地域と地域とのくぎりめ。さかい。境界(きょうかい)。区切られた、ある場所。〔孟郊‐訪嵩陽道士不遇詩〕
② 地域。土地。「無人の境」
③ ある物事や人などの置かれている環境。
※読本・昔話稲妻表紙(1806)跋「殊不堅識全有於心、而不中レ在於境也」
④ 心の、ある状態。境地。「無我の境」
※嚼氷冷語(1899)〈内田魯庵〉「此失意の境(キャウ)に在って」
⑤ 仏語。五官(目・耳・鼻・舌・身)と心とによって感覚され思慮される対象。六根(眼根・耳根・鼻根・舌根・身根・意根)・六識(眼識耳識・鼻識・舌識・身識・意識)のはたらく対象。これらは人間の心を汚すものであるから塵(じん)ともいう。境界(きょうがい)
※勝鬘経義疏(611)歎仏真実功徳章「挙中八章乗之境
正法眼蔵(1231‐53)栢樹子「いましるべき道理は、庭前栢樹子、これ境にあらざる宗旨なり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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