塵垢(読み)じんこう

精選版 日本国語大辞典 「塵垢」の意味・読み・例文・類語

じん‐こう ヂン‥【塵垢】

〘名〙 (「こう」は「垢」の漢音)
ちりあか。けがれ。よごれ。
経国集(827)一〇・聞右軍曹貞忠入道因簡大将軍良公〈淳和天皇〉「苔蘇密間乏塵垢、松杉攅処有清風」 〔淮南子‐詮言訓〕
世俗の事。俗界の煩わしい事柄。じんく。
基督と其の事業(1902)〈植村正久〉「人生の塵垢(ヂンコウ)其の心を汚すことを得ず」 〔荘子‐大宗師〕

じん‐く ヂン‥【塵垢】

〘名〙 (「く」は「垢」の呉音) 仏語煩悩のこと。
今昔(1120頃か)三「仏は清浄の直身に在す、汙穢(わゑ)塵垢には非ずと貴く思ひ奉るに」

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デジタル大辞泉 「塵垢」の意味・読み・例文・類語

じん‐こう〔ヂン‐〕【××垢】

ちりとあか。よごれ。
世俗の事柄。わずらわしい俗事。「塵垢にまみれる」

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普及版 字通 「塵垢」の読み・字形・画数・意味

【塵垢】じん(ぢん)こう

ちりや、あか。〔荘子、逍遥遊〕之(こ)の人や、物之れを傷(やぶ)る(な)し。大天に稽(いた)るもれず、大旱金石れ、土山焦(や)くるも熱せず。是れ其の塵垢秕糠(ひかう)も、將(まさ)にほ堯を陶鑄(たうちう)せんとす。孰(たれ)か肯(あへ)て物を以て事と爲さん。

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