塩田地区(読み)しおだちく

日本歴史地名大系 「塩田地区」の解説

塩田地区
しおだちく

現上田市の南西部のいわゆる塩田平と称する盆地。千曲川支流のさん川・川・尾根おね川などの流域にあたる。

塩田の地名は「吉記」承安四年(一一七四)八月一六日条に、東寺最勝光院別当が、後白河上皇に同院領塩田庄年貢について上申した文書にあるのを初見とし、以降、塩田庄として鎌倉・室町期の文献にしばしばみえる。この地方は「和名抄」所載の安宗あそ(阿曾)郷の地で、信濃国造の所在地に比定され、「延喜式」神名帳にある生島足島いくしまたるしま神社・塩野しおの神社をはじめ、平安期の草創と考えられる中禅ちゆうぜん寺・常楽じようらく寺・前山ぜんさん寺などの古刹があり、古代信濃国の政治・文化の一中心であったことを示唆する。国宝安楽寺八角三重塔をはじめ、国宝・重要文化財級の文化財も一〇平方キロ内に十指に余るほどを数え、しかも鎌倉期にゆかりをもつものが多く「信州の鎌倉」と称され、県下有数の歴史観光地である。

「参考源平盛衰記」養和元年(一一八一)木曾義仲旗揚げの条に塩田八郎高光の名がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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