化学辞典 第2版 「塩化パラジウム(Ⅱ)」の解説
塩化パラジウム(Ⅱ)
エンカパラジウム
palladium(Ⅱ) chloride
PdCl2(177.33).二塩化パラジウムともいう.パラジウム粉末に塩素を通じ加熱すると得られる.赤色を帯びた斜方晶系結晶.600 ℃ で昇華し,パラジウムと塩素に分解する.水溶液から二水和物が得られる.二水和物は赤褐色の柱状結晶.水,エタノールに溶けて黄褐色の溶液となる.加水分解して塩化酸化物となる.水素により容易に還元されるので,水素の検出に用いられる.そのほか,写真薬品,マジックインキ,ガラスや陶磁器の着色剤,パラジウムめっき,パラジウム触媒の製造,パッチテスト試薬などに用いられる.[CAS 7647-10-1]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報