塩化コバルト(II)(読み)えんかコバルト(英語表記)cobalt (II) chloride

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「塩化コバルト(II)」の意味・わかりやすい解説

塩化コバルト(II)
えんかコバルト
cobalt (II) chloride

化学式 CoCl2コバルト粉末塩素を作用させて得られる。淡青色,葉片状の吸湿性結晶。湿った空気に触れると淡紅色に変る。融点 735℃,沸点 1049℃,比重 3.37。6水和物は [CoCl2(H2O)4]・2H2O の構造をとり,淡紅色ないし赤色で,弱い潮解性のプリズム状結晶。融点 86℃,比重 1.92。加熱すると 52~56℃で 4H2O を失い,紫青色の2水和物 (比重 2.48) になる。 100℃でさらに水1分子を失い,紫色,吸湿性の針状または無定形固体に変る。 120~140℃で完全に脱水する。水,アルコール,アセトンに可溶。水溶液は淡紅色だが,加熱あるいは塩酸硫酸の添加により青色となる。あぶり出し用インキ,湿度指示剤,メッキ,ガラスや磁器の着色剤,触媒肥料などに対する添加剤,毒ガスやアンモニアの吸収剤,ビタミン B12 の製造など,用途は広い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

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