塢壁(読み)お(を)へき(英語表記)wu-bi; wu-pi

普及版 字通 「塢壁」の読み・字形・画数・意味

【塢壁】お(を)へき

防禦用の土堡。〔後漢書、西羌伝、東号子麻奴〕扶風陽・に於て、塢壁三百を作り、屯兵を置き、以て百姓を保聚す。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「塢壁」の意味・わかりやすい解説

塢壁
うへき
wu-bi; wu-pi

外敵を防ぐための土壁をめぐらした,中国古代の自衛的な集落。漢代に現れ (後漢末の董卓の万歳塢など) ,六朝時代の戦乱期になって多くなった。この集落はしばしば数百家から数千家に及ぶ。通常,1人の指導者塢主とその配下の塢衆から成り,大塢壁の塢主が小塢壁の塢主を支配することもある。塢衆は通常,同郷人または同族人を主体とし,あるいは無関係の流亡人も加えて構成される。特に東晋・南朝では塢主,塢衆が村を構成することが多かった。

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世界大百科事典(旧版)内の塢壁の言及

【塢】より

…漢代辺境に置かれた〈塢候〉は前者の例。後者については,王莽(おうもう)時代以後戦乱時に民衆が〈塢壁〉を築いて自衛することが普及した。後漢末や永嘉の乱では天険を利用した山城が作られ,数百家,数千家が集結し塢主(多く豪族層)を推戴して規律ある自給的共同生活を営んだ。…

※「塢壁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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