報本寺(読み)ほうほんじ

日本歴史地名大系 「報本寺」の解説

報本寺
ほうほんじ

[現在地名]下田市加増野

加増野かぞうのの中央部、旧松崎まつざき街道(県道下田―松崎線)沿いにある。婆娑羅山と号し臨済宗建長寺派。本尊聖観音。嘉暦元年(一三二六)三月、高野山真言宗の円岩が婆娑羅ばさら山の中腹に堂を建てて修行したのが始まりという。応永三年(一三九六)六月哲叟が麓に伽藍を再興した。哲叟は沢田さわだ(現河津町)林際りんさい寺の開山円明証知の法孫であったため臨済宗へ改宗したと伝える。土肥とい(現土肥町)の富永山城守を、当寺の天林が久保くぼ山の山麓に葬り、陵墓といわれる高さ六丈ほどの封土は山随さんずい権現とよばれて信仰された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報