堀麦水(読み)ほりばくすい

精選版 日本国語大辞典 「堀麦水」の意味・読み・例文・類語

ほり‐ばくすい【堀麦水】

江戸中期の俳人堀氏金沢の人。別号四楽庵・樗庵など。麦浪の門。支麦の俗調を批判し芭蕉への復帰を唱え俳句革新運動に力を尽くした。編著鶉立(うずらだち)」「新みなし栗」「樗庵麦水句集」「俳諧蒙求」「蕉門一夜口授」など。句集に「樗庵麦水句集」がある。享保三~天明三年(一七一八‐八三

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デジタル大辞泉 「堀麦水」の意味・読み・例文・類語

ほり‐ばくすい【堀麦水】

[1718~1783]江戸中期の俳人。加賀金沢の人。名は、堀長。俳諧中興運動において、貞享じょうきょう蕉風を唱導した。編著に「新みなし栗」「慶安太平記」など。

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朝日日本歴史人物事典 「堀麦水」の解説

堀麦水

没年:天明3.10.14(1783.11.8)
生年:享保3(1718)
江戸中期の俳人,実録作者。通称,池田屋平三郎のち長左衛門。初号,可遊,葭由。四楽庵,樗庵などの号もある。金沢の人。俳諧は,中川麦浪,和田希因らに師事伊勢,京都などへ引杖しつつ,俳諧師としての実力を養成した。貞享期(1684~88)の蕉風俳諧を顕彰したところに特徴があり,『貞享正風句解伝書』などを著した。中興期復古運動の中でも,異彩を放った。実録ものとして,『慶安太平記』など多数の作もある。<参考文献>日置謙「樗庵麦水伝」(『麦水俳論集』)

(楠元六男)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「堀麦水」の解説

堀麦水 ほり-ばくすい

1718-1783 江戸時代中期の俳人。
享保(きょうほう)3年生まれ。中川麦浪(ばくろう)らにまなぶ。貞享(じょうきょう)期の蕉風(しょうふう)に傾倒し,編著に「新みなし栗」,俳論書に「蕉門一夜口授(くじゅ)」など。「慶長中外伝」など実録物でも知られる。天明3年10月14日死去。66歳。加賀(石川県)出身。名は長。字(あざな)は子傾。通称は池田屋平三郎。別号に樗庵(ちょあん),四楽庵など。
【格言など】石を出る流れは白し花薄(はなすすき)(「落葉かく」)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「堀麦水」の意味・わかりやすい解説

堀麦水
ほりばくすい

[生]享保3(1718).金沢
[没]天明3(1783).10.14. 金沢
江戸時代中期の俳人。通称,池田屋平三郎,のち長左衛門。別号,可遊,四楽庵,樗庵,五噫逸人,牛口山人。中川乙由の門下だが,宝暦末期頃の俗調にあきたらず,蕉風初期の虚栗 (みなしぐり) 調に傾倒した。編著『蕉門一夜口授』 (1773) ,『新虚栗』 (77) など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「堀麦水」の意味・わかりやすい解説

堀麦水
ほりばくすい

麦水

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世界大百科事典(旧版)内の堀麦水の言及

【麦水】より

…江戸中期の俳人。姓は堀,名は長,通称池田屋平三郎のち長左衛門。初号は可遊,別号は四楽庵,樗庵など。加賀金沢の蔵宿の出で,伊勢の乙由(おつゆう)を慕い,その子麦浪から麦水の号を得た。早くから行脚を好み,1749年(寛延2)には江戸,伊勢,京を回って《あづまぢ草》を草し,61年(宝暦11)から3,4年は京,江戸にたびたび往来して俳壇の中興気運を高め,《鶉だち》を刊行した。70年(明和7)ごろから,漢詩文調のいわゆる貞享蕉風(芭蕉初期の作風)への復帰を説き,自論を《俳諧蒙求》《蕉門一夜口授》その他の俳論書,伝書に吐露し,《虚栗(みなしぐり)》調の作品を《新虚栗》(1777)に集成した。…

※「堀麦水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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