城玄(読み)じょうげん

朝日日本歴史人物事典 「城玄」の解説

城玄

生年生没年不詳
鎌倉後期,13世紀末から14世紀にかけての平家琵琶(平曲)奏者。城元とも。八坂検校のこと。目が不自由であった。平家琵琶の開祖生仏の後継者城一の弟子で(城正の弟子とも),古い形式の語りを伝え,京都の八坂に住むことから,その系統八坂流といい,また名に城の字を冠することから城方流ともいい,城玄はその祖とされる。当時,当道座を管轄した久我家縁者ともいうが,いずれも確かな記録がなく未詳。文保2(1318)年7月2日没ともいう(久我家文書など)。

(山下宏明)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「城玄」の解説

城玄 じょうげん

八坂検校(やさかけんぎょう)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の城玄の言及

【平曲】より

…そこに行長と生仏という人材があらわれて,《平家物語》という一大唱導芸術がつくり出されたということは考えられる。 13世紀も後半になると,京都八坂の城玄(じようげん),筑紫出身の如一(じよいち)という名人が出,それぞれ八坂流(やさかりゆう),一方流(いちかたりゆう)を立てた。以後,八坂流はあまりふるわず,平曲は一方流を中心に伝承されていく。…

【八坂流】より

…平曲の流派名。八坂方ともいい,流祖は城玄(じようげん)。この派の琵琶法師はみな〈城〉を名の頭につける。…

※「城玄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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