垂込(読み)たれこむ

精選版 日本国語大辞典 「垂込」の意味・読み・例文・類語

たれ‐こ・む【垂込】

[1] 〘他マ五(四)〙
① たらしいれる。小便大便をたれる。
洒落本・起承転合(1802)承句「たれこむものに候へば、しびんとおぼしめし」
密告する。秘密を人に話す。
※指と眼と鍵(1960)〈樫原一郎〉東京・香港・パリ「警察に密告(タレ)こむのさ」
[2] 〘自マ下二〙 ⇒たれこめる(垂込)

たらし‐こみ【垂込】

〘名〙
液体を少量ずつしたたらせて入れること。
日本画における技法の一つ。礬水(どうさ)を引いた絹紙に、太い線や面を使って対象を描き、それがまだ完全に乾かないうちに、金銀泥、緑青など異種の色料や、濃度の異なる同種の色料または墨を加えて、自然にできるむらを生かして制作する技法。宗達光琳派で頻用される。

たれ‐こみ【垂込】

〘名〙 密告すること。
※夢の超特急(1963)〈梶山季之〉三「こうした知能犯が発覚するのは、いわゆるタレコミ(密告)のこともあるが」

たらし‐こ・む【垂込】

〘他マ五(四)〙 液体を少量ずつしたたらして入れる。したたらせながら入れる。〔和英語林集成初版)(1867)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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