坊津町(読み)ぼうのつちよう

日本歴史地名大系 「坊津町」の解説

坊津町
ぼうのつちよう

面積:三八・六一平方キロ

加世田市と枕崎市によって東西に分断された川辺郡の西側南部に位置する。東は枕崎市・加世田市、北は大浦おおうら町・笠沙かささ町に接し、西と南は東シナ海。東西約四キロ、南北約一六キロの帯状の町域をなす。南端部にある番屋ばんや(二六一・一メートル)から北へくるま(三五六・八メートル)尊丘そんきゆう山・草野そうの(四四八・八メートル)じん(四六三メートル)いま(二六七・六メートル)などの山々が海に迫って四つの浦をなし、海岸沿いに人家が密集する。おくいん川・とまり川・久志くし川・秋目あきめ川が西流し、各浦に注ぐ。各浦は天然の良港で、海岸線は五二キロに及ぶ典型的なリアス海岸を形成し、坊野間ぽうのま県立自然公園に指定されている。海岸沿いを国道二二六号が走り、県道の坊津―久木野くきの線、久志―上津貫かみつぬき線、秋目―上津貫線、久志―大浦線が分岐する。町名の由来は一乗いちじよう(現廃寺)の坊舎にちなむという。安定した平地がわずかなため遺跡は少ない。縄文時代の遺跡が久志の丸木まるき浜などにあるが、いずれも小規模である。丸木浜まるきはま遺跡は入江となった狭い砂浜にあり、阿高式・指宿式・市来式土器など中期・後期の土器と石鏃・石匙などが出土。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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