地蔵茶屋跡(読み)じぞうちややあと

日本歴史地名大系 「地蔵茶屋跡」の解説

地蔵茶屋跡
じぞうちややあと

[現在地名]那智勝浦町口色川

大雲取おおくもとり山を越えて熊野本宮と那智を結ぶ雲取越道の地蔵堂の前に大正一〇年(一九二一)頃まであった一軒の茶屋。

「後鳥羽院熊野御幸記」建仁元年(一二〇一)一〇月二〇日条に「雲トリ紫金峯如立乎、山中一宇有小家、右衛門督宿也」とある、大雲取おおぐもとり越の山中にただ一宇あったという小家に想定されている。「西国三十三所名所図会」には「那智山から百十九丁目にあり、傍に地蔵堂あり、一軒家也」とみえる。地蔵堂とその付近に多くの石仏があり、「元禄三庚午年」の銘のある六字名号碑石のほか、堂内には宝永四年(一七〇七)泉州堺の魚商人六兵衛が寄進したという石地蔵三三体が安置されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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